先日、朝ドラのこちらの記事でドラマに万葉集の歌が出てくるという事を知りました。
リメイク上映された『棗黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘』のラストシーンで詠まれた万葉集の歌
梨棗 黍に粟つぎ延う葛の 後も逢わんと 葵花咲く
なしなつめ きみにあわつぎ はうくずの のちも あわんと あういはなさく
意味は、「君と早々に離れて会えずにいるけれど、葛のつたが分かれてまた絡み合うように、季節が巡った後に君と会いたい」
離れた思いがまたひとつにつながる物語であることが、「棗黍之丞」という名前によって示されていたとの事。
随所に余念がないドラマで凄いですね。
万葉集が出てくる作品としては、新海誠監督の「言の葉の庭」で詠まれる短歌を思い出します。
「雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
なるかみの すこしとよみて さしぐもり あめもふらぬか きみをとどめぬ
意味は「雷が鳴って、雨が降ってくれれば、あなたを私の元へ留めておくことができるのに」
その答えが
「雷神の 少し響みて 降らずとも われは留らむ 妹し留めば」
なるかみの すこしとよみて ふらずとも われはとまらむ いもしとどめば
意味は「雨なんか降らなくても 君が望むのならば、僕はここに留まるよ」
万葉集のなんと情緒的で素敵な事か。作品に散りばめる事ができる力がまたヒットに繋がっていくのだろうなあと、改めて万葉集を読んでみたくなりました。
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