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  • 執筆者の写真紙成鳴美

冬の夜の澄める月に



コンビニの宅急便の締切時間は4時なのですが、うっかり出し忘れ。慌ててちょっと遠いヤマトの営業所へ。


途中に見えた夕方の月がプラチナのように白く光ってました。

 

写真だと絶妙な白の光具合が伝わりづらいですが真珠のような雪のような、珍しい光り方です。


こんな光り方に名称ってあるのかなと思って白い月を検索していたところ、源氏物語、光源氏が雪景色を見ながら語った一節の解説記事にヒットしました。


「人の心を移すめる花紅葉の盛りよりも、冬の夜の澄める月に、雪の光りあひたる空こそ、あやしう、色なきものの、身にしみて、この世のほかのことまで思ひ流され、おもしろさもあはれさも、残らぬ折なれ。すさまじき例に言ひ置きけむ人の心浅さよ」


意味は


人の心を惹きつけて移ろわせる桜や紅葉の盛りよりも、冬の夜の澄んだ月に、雪の光が映えた空こそ私は好きだ。幽玄で、色のない風景が身に染みて、現世を離れた世界にまで想いが及んで、おもしろさも哀しさもここに尽きる。冬の夜を興ざめと言う人の心は浅いものよ。


白を「色なきもの」と表現し、現世を離れた世界に想いを馳せるなんてまあ素敵・・・出し忘れた甲斐がありました。

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