紙成鳴美
人間万事塞翁が馬

昨日、新宿で昼食にはいったお店に「人間万事塞翁が馬」という言葉が飾ってありました。私も好きな言葉です。
一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることのたとえ。幸運か不運かは容易に判断しがたい、という意味なのですが、その物語が分かりやすく面白いです。
(以下こちらのサイトから抜粋)
[由来] 「淮南子―人じん間かん訓」に載っている話から。中国の北端、国境の「塞(とりで)」の近くに、占いが得意な「翁」が住んでいました。あるとき、彼の飼っていた馬が逃げてしまったので、みんなが同情しましたが、彼は「これは幸運が訪れる印だよ」と言います。そして、そのとおり、逃げた馬は立派な馬を連れて帰ってきました。そこでみんなが祝福すると、今度は「これは不運の兆しだ」と言います。実際、しばらくすると彼の息子がその馬から落ち、足の骨を折ってしまったのです。またみんなが同情すると、彼の答えは、「これは幸運の前触れだ」。息子はその怪我のおかげで、戦争に行かずにすんだのでした
こちらはどなたが書いた色紙ですか?とお店の方に聞いたところ、青島幸男さんとの事。
若い方はご存知ないかと思いますが、1996年、世界都市博覧会を公約通り中止に導いた都知事だった方です。ことの顛末はこちらをご参考に。
今は大阪万博が問題になっています。地盤が弱い場所に建てるのが困難な事と、計画性がなかった事、資材を運ぶルートや杭の問題と開催できるのか、色々と問題が山積みです。今は戦争の話題も多いし、何かタイムリーだなあと眺めてました。

店内で私の後ろの席は「人間万事塞翁が馬」の由来である中国の留学生二人組さんのようでした。ペイペイでお会計が払えると思ったら現金のみとの事。お店の方は日本人かと思いきや、留学生と流暢な中国語を喋り始めました。お店の方とどうしたら良いかずっと話した後に、一緒に銀行かどこかへ行ったようです。こちらも留学生にとって人間万事塞翁が馬になったでしょうか?
今は世界が目まぐるしく変化する時、まさに人間万事塞翁が馬、日本にとって幸か不幸かも分かりづらくなりました。