以前にご紹介した神話学研究者の沖田瑞穂さんの著書「すごい神話」
いつも鋭い考察のコラムを書かれる日本マイクロソフト元社長の成毛眞さん推薦書です。
一気に読むには気力がいるので少しずつ読み進めています。神話といえども、ファンタジーな話ではなく、救われる話でもなく残酷な話が多い印象です。
神話には一定の構造や系統があるという事で、現代で人気の進撃の巨人、鬼滅の刃、マトリックス、ナルニア国物語、ゲームパズドラなどと神話を照らし合わせて解説なさっています。
確かにそれぞれの作品は残酷なシーンも多いにも関わらず多くの人を魅了しています。
神話は長い年月を経ても残っているには理由があるわけで、ヒット作と共通点があるのも納得です。人間の無意識の根幹に語りかけるものがあるのかもしれません。
目次から一部抜粋すると、「人口過剰は洪水で解決するーインドネシアの洪水の神話」 「人口過剰は戦争で調整することもーインド神話 大地の重荷」 最近の事象と重ねてしまうような恐怖を感じます・・・
神話、神とつける定義がよく分からなくもあります。今はカルト問題もあり世界各国様々で、神様に定義付けできない所に隙も生まれるし難しい問題です。
でもこうした昔の人々が語り継いだ神話を読むと、生きていくのが生易しい事ではない事が感じられます。
なので子供の頃から救われる事に趣をおく物語だけに接していてはいけないなと感じたりもしました。救いばかりが正義に感じてしまうかもしれません。
把握しきれない、とても奥が深い1冊です。